第39回 「勉強がつらい。塾をやめたい」と言われたら

「勉強がつらい。塾をやめたい」と言われたら

 「勉強がつらい」と子供に言われた親御さんは少なくないと思います。その際、子供と話し合おうと考える方が多いのではないでしょうか。その結果、子供に負けた(押し切られた)、あるいは取引に応じた(○○を買ってあげた)という経験はありませんか。これでは親の負け、指導力ゼロです。ましてや、暴力、暴言はもってのほか。

 私も自分の子供に「勉強がつらい」と言われた経験があります。私は原則として話し合いをしません。とりあえず、子供の話をよく聞き、否定も肯定もしません。子供の言い分をすべて吐き出させたら、いよいよ私の第一声。「分かるよー。私もいやなことはあった」と共感してあげます。

 子供が塾に通い、受験勉強することは、決して当たり前ではありません。つらい、やめたいという気持ちは自然です。ただし、それで終わっては指導になりません。気持ちを理解した上で、『説得』することが大切です。

 「君にも夢があるし、将来やりたいこともあるのだろう。ここを乗り越えんとなぁ。君ならできると思うよ。しっかりやろうぜ」

 これで説得できれば一段落ですが、うまくいかなければ、その日は黙って好きにさせておきます。翌日は何もなかったかのように、普段通りの生活に戻します。当然のように学校や塾に行かせ、宿題をさせる。そうやって決して子供のペースに乗らず、待てば海路の日和ありと信じ、とにかく嵐が過ぎ去るのを待ちます。

 多くの子供たちは勉強(努力)がつらい、嫌いなものです。しかし、勉強は大切だ、勉強ができるようになりたいとは思っています。うまくいかないことを親に八つ当たりしているのです。言わせておけば良いと思います。

 大事なのは親の信念です。必ずや子供を良い方向に導こうと諦めないことです。親は常に冷静に、親こそ我慢強く。また、私を含め屋宜塾の先生たちに相談してみるのも1つの方法です。大抵の問題は解決できると思いますよ。