第46回 「内申点」よりも「学力重視」となる県立高校入試!

 「内申点」よりも「学力重視」となる県立高校入試!

 前号では「すべての沖縄県立高校で推薦入試が廃止される」という新聞記事を紹介しました(詳細は前号をご参照下さい)。これにより、すべての県立高校の入試において学力検査が義務づけられます(現小6から)。

 ところで、推薦入試はどうして廃止されるのか。また、今後、県立高校入試はどうなっていくのか。それについて私なりの見解を申し上げます。

 

 現行の推薦入試は、受験生にとって全くリスクのない入試制度です。ほぼ学校の内申点(中学校の評定)だけで合否が判定され、学力検査を受けることもありません(ただし、開邦・球陽高校は学力検査を課します)。学校の成績上位者にとってみれば、これほど安全で確実に合格できる制度はないのです。オール5ともなれば、開邦・球陽高校を除く、ほぼすべての高校で合格内定が約束されます。

 したがって、学校の成績上位者ほど、「自分の学校の成績(内申点)さえ良ければいい」と考え、内申点を取ることにひたすら腐心します。結果、受験勉強よりも、学校の定期テストが最大の目標となるのです。学校の定期テストを否定する訳ではありませんが、入試問題とは範囲もレベルも相当違ってきます。学校の定期テストだけでは、本当の実力なんて身につきません。

 こんな風潮がまかり通っている沖縄に、全国で通用する学力を養う土壌なんて生まれるでしょうか。そう言って、私は幾度となく、この推薦入試の弊害を声高に訴えてきました。機会あって開邦高校の校長先生と議論を交わしたこともあります。

 

 しかし、私の訴えもようやく報われる日が来ました。

 

 県は推薦入試を廃止し、代わりに全受験生に学力検査を課します。これはまさに“学力を重視する”という宣言だと思います。実際、県立高校一般入試の選抜方法それ自体も毎年のように変化が見られます。学力検査問題は記述形式が増え、年々難しくなっており、さらに、内申点よりも学力検査を重視する高校も増えています(最近は「学力:内申=6:4」の比重が普通です)。このまま一層、学力重視に向かっていくことは間違いないでしょう。定期テスト対策だけでは、入試本番で通用しません。

 

 今こそ、屋宜塾が創設以来守ってきた「学力重視」の指導方針が、どの高校を目指す人にとっても必要になってくるはずです。今後も一層、進学後のことも考えた『学力・気力・伸びしろ』の向上を追求していこうと考えます。