第66回 「宿題をテキパキさせる方法」

「宿題をテキパキさせる方法」

 

5月は面談月間であったため、今年も多くの親御さんとお話をする機会を得ました。その中で最も多かった相談は「子供の時間の使い方」に関するものです。 

・集中して取り組まないため、宿題がなかなか終わらない

・宿題に取りかかるまでに時間がかかりすぎる

こんな時、親はイライラしますよね。思わずきつく叱ってしまうこともあるでしょう。しかし、叱ったところで、同じことの繰り返しになっていませんか。それもそのはず、子供と大人では時間に対する責任感が全く違っているからです。

例えば、大人は「明日は早くから用事があるから早めに寝よう」とか、「明日は忙しいから今日のうちに少しでも仕事を片付けておこう」といった具合に、時間に余裕を持った行動を心がけます。これは人生経験の中で、時間に余裕がないせいで、手痛い失敗をしているからです。それに対して子供の方は、自己責任のもとで時間管理をする習慣がそもそもありません。常に親が急かさない限り、余裕を持った行動など考えもしないでしょう。実際、朝から自分で起き、朝食を準備し、食器を洗う子供がどれほどいるでしょうか。1日のスタートから人任せ。それが子供というものです。

このように時間に対する責任感に違いがあるため、親の怒りがあまり子供には通じないのです。

では、どうすれば子供はテキパキと行動するのか。

その方法の1つがタイマーの活用です。屋宜塾の授業でも頻繁にタイマーを使います。あと何分、あと何秒と時間を計ってあげれば、子供は集中して課題に取り組みます。時間を制限されてグズグズする子供は見たことがありません。

子供に宿題をさせる場合でも、「何時までに終わって」ではなく、「次の問題を2分で」と細かく指示し、タイマーを置いておきます。これだけで、宿題にかかる時間は大幅に短縮されることでしょう。

実際の入試においても、「短時間で考える」「短時間で解く」という能力は不可欠です。制限時間内にできなければ、それはできないのと同じです。こうして日頃から制限時間との戦いも訓練できるため、一石二鳥と言えませんか。

時間の余裕が心の余裕。辛い受験を乗り切るためにも、ちょっとした工夫で子供を応援していきましょう。