第81回 「県内中学入試の読解問題のレベルと対策とは?」

県内中学入試の読解問題のレベルと対策とは?

 

県内中学入試の読解問題(国語)のレベルはどの程度のものか?どんな著書が出題されているのか?今回は沖縄県立中学入試(適正検査Ⅰ:国社)で出題された「著書」(著者)を一部紹介し、読解問題への対策についてお話したいと思います。

 【過去に沖縄県立中学入試で出題された著書(著者)<一部>】

・「日本語」(金田一春彦)

・「働きざかりの心理学」(河合隼雄)

・「ことばの教養」(外山滋比古)

・「わかりやすく<伝える>技術」(池上彰)

・「いま伝えたい大切なこと、―いのち・時・平和―」(日野原重明)

・沖縄タイムス、琉球新報(社説)

・「字のないはがき」(向田邦子)

・「明日」(谷川俊太郎)

・「自分の番 いのちのバトン」(相田みつを)

 小学生と侮ることなかれ。これらは大学入試でも扱われている、錚々たる著述家の評論文や文学作品です。決して小学生向けの児童書の類ではありません。県内の私立中学では、もっと難解な哲学的テーマの評論文が出題されることもあります。

 では、どんな対策があるのか?

 それは、漢字を得意にすることです。

 入試の読解問題はまさに「漢字の洪水」。漢字に苦手意識がある子は、すぐに溺れてしまい、途中で読み進める心が折れてしまうようです。したがって、問題を解き終わっていないにも関わらず、手持ち無沙汰な様子を見せてきます。漢字の得意な子は、途中で放棄することはありません。この「漢字の洪水」に屈しないで読み切る力が、読解力、得点力に大きく影響していると思われます。「読解の得意な子に漢字嫌いな子はいない」ということです。

 ここで一つ付言しておきます。読解力は読書量に比例しません。「うちの子はよく本を読むから大丈夫!」と安心しないで下さい。先述のとおり、子どもが普段手に取って読むような本が入試で出題されることはありません。入試の読解問題に対しては、それ自体を読み解く技術を学ばなければ、太刀打ちできないのです。その技術を塾で学ぶわけですから、その前の段階として「漢字」への免疫をつけておくことを勧めているのです。入試までまだ先というお子さんでも、漢字だけならば学年を超えて学ぶことも可能でしょう。このように「漢字を得意にすること」が、今からできる最も基本的な読解対策となるのです。