第91回 「旅育(旅行を通じた子どもの成長)」

「旅育(旅行を通じた子どもの成長)」

 

夏休みが始まりました。今年は新型コロナによる活動制限がなくなり、家族旅行を計画されている方も多いことでしょう。

 ところで、『旅育(たびいく)』という言葉をご存じでしょうか。これは旅行を通じて家族でいろいろな体験をし、子どもの成長を促すというものです。旅は子どもにとって新たな発見の連続であり、大人以上に刺激的な体験となります。

 私の父は旅行好きで、よく私をいろんな所に連れていってくれました。東京に初めて行った時は、目にするものすべてに驚いたものです。たとえば、国立科学博物館の展示物の多さ、秋葉原の電気街の品揃え、石油化学コンビナートのタンカーの大きさなど。同じように大阪では、新幹線のスピード、大阪城や太陽の塔(万博公園)の高さにビックリしました。目の前のすべてが新鮮で、ワクワクの連続でした。その中でも、後楽園球場で見た王さんのホームランと大阪吉本新喜劇で爆笑したことは忘れられません。

 私も父に倣って自分の子どもにはいろいろな体験をさせました。小学校高学年の頃になると、旅行の目的地の選定や計画にまで参画させたものです。すると、子どもから「次はここに行ってみたい、これを見てみたい」と言うようになり、その好奇心は多方面に向いていった気がします。当時は「旅育」なんていう畏まった考えはありませんでしたが、旅行が子どもの成長に一役買ったのは間違いありません。

 皆さんも旅行の際はお子さんを喜ばすために、あれこれプランを練っておられることでしょう。「旅行が家族の思い出をつくり、子どもの成長に繋がる」、そんな一石二鳥の『旅育』ができればいいですね。