「きのう、特訓したよ」

先日、生徒のひとりが私のところへ歩み寄り、小声で「きのう、お父さんと特訓したよ。だから、今日のテストは自信がある」と言ってきました。テストの前にわざわざ「特訓した」とか「自信がある」と言いに来る生徒は珍しいので、少し意表を突かれました。テストの日の生徒というものは、こちらから「テスト勉強をしましたか」と問いかけても、「まぁ…」とか「う～ん」といった曖昧な返事をするのが普通で、ましてや結果が出る前から「自信がある」とは言わないものです。よほどお父さんとの特訓が誇らしく、充実していたのでしょう。

 結果は文句なしの１００点満点。

「よくやったね。お父さんとの特訓が成功したね。」

破顔一笑の表情を浮かべる姿に私まで嬉しくなりました。

 テストは「勉強を頑張るきっかけ」にも「勉強を嫌いになるきっかけ」にもなる『諸刃の剣』です。今回は「頑張るきっかけ」となった良い例です。皆さんにも見習って頂ければと思います。

 子どもが自慢したくなるような特訓とはいかなるものか。いつか機会があれば、お父さんに尋ねてみようと思います。