第55回  お母さんたちからの質問(その8)

 「子供にやる気を起こさせるためにはどうしたらよいですか?(後編)」

 

今回は「やる気」をテーマにした三部作の最終回です。前号では、会社の新人教育に使われる「お・ひ・た・し」を紹介し、子供との接し方を考えて欲しいと申し上げました。今回はそれを補足した内容になっています。

 

そもそも「やる気」というものは、競争心の強い子ほど顕著に現れます。成績の上位者には競争心の強い子が多いです。だからといって、親はこの見た目の「やる気」に左右されてはいけません。成績が振るわない時に他者と比較するのは、『自分が教育熱心だと思っている親』ほどやりがちな失敗です。

日々淡々と子供にやるべきことをさせる。これが『理想の親』です。時には何か言いたくなるのをぐっとこらえる。子供の成績が上がるまでひたすら耐える。

成績が上がれば、放っておいても「競争心」は芽生えてきます。いたずらに「競争心」を煽ってしまうと、「やる気」の芽をつんでしまうかもしれません。

 子供の立場ならば、どのように親から接して欲しいか。新人教育の「お・ひ・た・し」=【(お)怒らない、(ひ)否定しない、(た)助ける、(し)指示する】をもとに私流にアレンジしてみます。

 (1)結果のみを褒めたり、怒ったりしない。努力を認める。

 (2)「ダメ」などの否定語を使わない。

 (3)困っていることを見極め、相談に乗る。

 (4)一人ぼっちにしない。いっしょに勉強する。

 

3回にわたって「やる気」というものについて考えてみました。子供だけの問題ではないことが分かって頂けましたか。子供と敵対するような勉強のさせ方は、むしろ「負のスパイラル」に陥ってしまうことを忘れないで下さい。

屋宜塾のスローガンにあるように、生徒たちには『明るく・楽しく・元気よく』学んで欲しいと思います。