第63回 「ガンバレ、お父さん」(その2) ~お父さんは「聞き上手」になろう~

「ガンバレ、お父さん」(その2)

~お父さんは「聞き上手」になろう~

 

子供がお父さんに最も期待することは、「ピンチの時に頼りになる」ことです。子供が相談にきて「お母さんに聞いて」では、「お父さんは頼りにならない」とがっかりすることでしょう。

例えば、子供に「この問題ができない」と相談されたとします。その時、子供の前で問題が解けないと恥ずかしいと考えてはいませんか。このように考えるお父さんは少なくありません。だから、お茶を濁して逃げるような態度をとってしまう。しかし、これではむしろ父親の威厳を失いかねません。できないならばできないで、「一緒に考えてあげる、調べてあげる」でいいと思います。結果的に、どうすれば問題解決に至るのかを手伝ってあげることで、「頼りになるお父さん」となるのです。

逆に、何でもできるお父さんは、こんなことを言うと子供は相談できなくなるので注意して下さい。

・こんなものもできないのか

・こんなものはできて当たり前だ

・自分は子供の頃、こんなものはできた  など

 

ところで、「聞き上手のさしすせそ」というものがあることをご存じですか。

(さ)=さすがだね

(し)=知らなかった

(す)=すごい

(せ)=センスあるね

(そ)=そうなんだ

 

私は父親からこんな言葉をかけられた記憶がありませんが、自分は我が子に使うように心がけました。そのため、子供からはよく相談されました。いまや昭和に見られた、子供とのコミュニケーションは一方的で、怒るとカミナリ型(直情型)の親父は通用しない時代です。もはやその典型ともいえた「サザエさん」の波平さんでさえ、随分丸くなっており、令和仕様に変わっているではありませんか。

聞き上手になることは簡単ではありませんし、子供の相談にすぐ答えがでないことはいくらでもあります。その時は一緒に考えてあげましょう。そして、お父さんが良き勉強仲間になってあげましょう。そうすれば、子供はきっとお父さんを頼りにします。

また、子供が新しい知識を身につけてくれば、「お父さんにも教えて」と言って、説明させるのも良い学習法です。勉強はインプットよりアウトプットの方が重要だと言われます。うまく説明できればよく理解している証拠です。これも「聞き上手」の一つと言えるでしょう。