『分からない』を言える子は伸びる!
先日、「子どもの質問に安易に答えていいものか悩んでいます」という親御さんがおられました。子どもに「教えたはずなのにテストではさっぱり」ということらしいです。
皆さんも苦労して身につけた知識ほど忘れず、自分の血肉になっていませんか。受験では「覚えればしまい」という知識がほとんどですが、「理解できない」という類の知識は、それ自体が貴重な存在です。だからこそ、時間をかけても無駄にしてはいけません。いかに悩み考えたか、その苦労する過程そのもののが、勉強するということの本質です。
「分からない問題」というのは、子どもたちにとって“面倒なヤツ”です。できれば深く関わらず、スルーしたいところ。にもかかわらず、子どもが「分からない」と訴えてきたら、これはチャンスと考えて下さい。どう克服させるかが、子どもの成績、ひいては合格に大きく関わってきます。
では、「分からない」ときたら、どう対処するか。その手順を紹介していきましょう。
1.『自己分析』させる。
最初に何が分からないのかを具体的に説明させましょう。「分からない」という原因を、『自分で考える(=自己分析)』クセをつけさせるのです。「何が分からないのかが分からない」という困ったケースもあります。この場合、必要な公式や解法のテクニックを覚えていないなど、他愛もないことが多いです。これは真剣に考えていない証拠なので、そこから正していく必要があります。(あまり詰問口調になったりすると次から聞きにくくなりますので、お手柔らかにお願いします)
2.『自己解決』させる。
敢えてすぐには教えず、他の教材から類題をさがしてみるよう指示して下さい。そして、その解説を読ませてみます。別の教材の解説なら分かったというケースは少なくありません。できるだけ自分で調べ、自分で解決させましょう。最近ではYouTubeやグーグルという手段もあります。便利な時代ですね。それでも「分からない」となれば、子どもは苦労した分、何としても解決したいとなります。その苦労が知識を確かなものにしてくれるのです。もし、家庭で手に余るようなら、その時はうちの先生に任せましょう。
3.『プレゼン(発表)』させる。
子どもが分かったとなったら、その問題の解説をプレゼン(発表)させて下さい。先生から教えてもらったというなら、その通り説明させてみましょう。説明ができるようなら、その知識は“本物”です。もう間違うことはないでしょう。
お子さんの「分からない」は、前向きな姿勢の現れです。先ほども申し上げましたが、子どもにとって「分からない」は面倒なことであり、分かったふりをしてやり過ごす方がよっぽどか楽なのです。
『分からないと言える』、これこそが“伸びる子どもの証”です。